ある漢方医のつぶやき

いぬつかひさしの備忘録

血圧もコレステロールも気にしない

1月に入り、そろそろ健康診断という方も多いのではないでしょうか。

私は、50歳を過ぎて血圧が時々ひっかかるようになりました。

おそらく私より上の世代では、血圧かコレステロールの薬は飲んでいる人の方が多いのではないでしょうか。

でも、高いから飲みましょうと言われて素直に飲む人は、実は病院の「いいお客さん」です。

病名に高血圧や高脂血症があれば、医療機関には結構な額の診療報酬が加算されるのですが、患者さんの自己負担は1~3割ですから、あまり痛みは感じないかもしれません。

数値を下げる理由は、高いと動脈硬化が進み循環器疾患に罹りやすくなるからとされますが、本当に下げなければいけない人は、特殊な病状の限られた人です。

学会が作るガイドラインに従えばかなりの数の人が治療適応になり、実際多くの人が薬を飲んでいますが、こんな国は日本だけです。

日本人の薬好きは世界一と言われています。

年齢と共に血圧が上がるのは、加齢現象であり病気ではありません。

動脈の柔軟性が落ちるため、身体の隅々まで血液を届けようとして血圧が上がっているのです。

降圧により脳梗塞を発症したり、倦怠感や意欲低下でうつ病認知症と診断された方が薬をやめると治るといったケースはたびたび見ますが、そのような事実が表に出ることはありません。

コレステロールは、細胞膜、脳の神経組織、消化液、ホルモンの原料でなくてはならないものです。

善玉(HDL)は回収係、悪玉(LDL)は運搬係で、本来「善」も「悪」もありません。

不足すると、血管脆弱化、神経伝達障害、免疫力低下を招き、脳出血うつ病感染症が増えます。

ただし、血圧もコレステロールも不摂生で数値が上がっている場合は改善が必要です。

しかし、その場合は「生活習慣病」ですから、薬ではなく生活習慣で改善します。

ほかにも、抗癌剤、ワクチン、etc…やめた方がいいものはたくさんあります。

効かないだけならまだしも有害です。

ちなみに、副作用(side effect)は、本当は有害事象(adverse event)といいます。

海外でside effectという言葉は使われません。

副作用といえば主作用のおまけのような響きがあるのでよくないと思っています。