ある漢方医のつぶやき

いぬつかひさしの備忘録

わからないことがわからない

先日健康相談に来られた70代の女性の話。

薬を飲みたくないそうで、入室するなり薬のリストと検査データを机の上に広げました。

見ると、血圧、コレステロール、血糖、骨粗鬆、血液サラサラの薬など計11種類出ており、こんなにいるのかなと思っていると、薬はほとんど飲んでないとおっしゃいます。

検査データを見ると糖尿病の数値がかなり悪く、ちゃんと飲んだ方がいいと話すと、まずいと思った時だけ飲んでいるとのこと。

主治医はちゃんと飲んでいると思って処方しているのでそういう飲み方をしたら危ないこと、飲みたくないのならまず食事療法の徹底が必要と説明しました。

すると食事は11400kcalくらいだといい、それにしては数値が高いので間食してないか尋ねると、毎日おやつにシュークリームやアイスを食べ、寝る前にも甘いものを食べるとのこと。

食事が守れていたらいいと思っていたようで、間食もカウントするよう話しました。

そして、朝はあまりお腹が減らないのでコッペパン1個にバターとジャムを塗って食べるとのことで、急激に血糖の上がる一番悪い食べ方だからちゃんと野菜も摂ること、できれば同じカロリーの和食に替えること、朝は無理に食べなくてもいいことを伝えました。

最後に質問がないか聞くと、「まず薬で下げた方がいいんですよね」と聞くので、どうしたいのか再度確認し(汗)、心筋梗塞の既往があるそうなので血液サラサラは絶対やめないよう念を押しました。

そして「インシュリンは続けますか」と聞かれ・・・何??リストにはなかったけど・・・飲まない薬ならいいの?

「夕方14単位打ってます」とのことで、低血糖の危険があるので朝は必ず食べてくださいと訂正。

主治医の先生はどこまで把握できてるんだろう・・・

こちらにとってはあたりまえでも、わからない人にはそのことがわからないんだろうなと思いました。

今日話せてよかった。