ある漢方医のつぶやき

いぬつかひさしの備忘録

風邪に解熱剤は×です!!

今日、健診に来た若い兄さんから「風邪が治らない」と相談がありました。

4~5日前から38℃台の熱が続き、寒気や寝汗、頭痛、倦怠感、食欲不振などもあり、病院を受診したもののコロナもインフルも陰性で解熱剤だけ出たとのこと。

持病のない体格のいい27歳の若者が何だろうと思い、もしや解熱剤を飲んでないか聞くと、熱が出るたび飲んでいるそう。

これだと思い、早速やめるよう指示しました。

発熱はウイルスを死滅させるための生体防御反応であり、熱を強制的に下げるとその分治癒が遅れること、寒気は熱を上げるための準備であること、どうしても解熱剤を使うなら寒気のない時でないと体へのダメージが大きいことを説明しました。

そして、これで治らないなら漢方外来か漢方薬局に行くことを勧めました。

解熱剤は、使い方を間違うと本当に危ないので注意してください。

私の患者さんで、熱で近医を受診し処方された解熱剤を飲み、体に力が入らなくなり動けなくなったり、激しい悪寒戦慄を来たし顔面蒼白になった人がいます。

医者に相談しても取り合ってくれなかったそうで、たぶんほとんどの医者はこういうことを知らないか関係ないと思ってるので、とにかく風邪やインフルエンザが疑われる時は、診断が必要な時以外病院は受診しないことをお勧めします。

診断がついたところで対症療法なので(抗ウイルス薬の是非は置いとく)、それなら漢方薬を飲んで布団にくるまって汗をかく方がよほど合理的です。

ちなみに、食欲がないのは消化吸収にエネルギーを使わないため、だるいのは体を休めるためなので体の声に従い、梅茶や野菜スープ、スポーツドリンクなどで水分、塩分、カリウムを補給し、あとは自然治癒力に任せるだけです。

ちなみに、インフルエンザワクチンは効きません。

万一型が当たってワクチンが効いても自力で獲得した免疫ではないので、常に効果の期待できないワクチンに依存しなければなりません。

感染で得た免疫は終生働き、似たウイルスにも交差免疫を発揮するため、いろんなウイルスに感染することで強い体になっていくのです。