ある漢方医のつぶやき

いぬつかひさしの備忘録

それは科学か宗教か

最近、健康相談をやっていてこのような方が来られました。

1人は60代の女性で、体がだるくてしんどい、気力がでないとのこと。

忙しくなったとか睡眠不足とかストレスが増えたとかはなく、検査でも異常なく困っていました。

他に思い当たることはないか聞くと、降圧薬を飲み始めた頃からのようとのこと。

主治医に相談するよう勧めたところ、聞いてみたことはあるが「これでいい」としか言われないそう。

血圧は120~130台なので、少々上がっても心配ないからやめてみるよう話しました。

すると次回来た時には「だるさはすっかりとれた。血圧は140くらい」とのことで、これくらいなら飲まないでいいと話すと安心していました。

 

もう1人は80代の女性で、朝起きると身体がふらふらして力が入らないとのこと。

朝は血圧が100を切るそうで、薬の手帳をみると、2種類の降圧薬が毎食後に出ていました。

他に基礎疾患もない80代の高齢者に…ありえない。

ちゃんと診ているとは思えないので、次回受診した時主治医にはっきり伝えるよう話しました。

 

医学の世界では、血圧もコレステロールも低いほどいいとされています。

調べたら間違っていることはわかりますが、正しいことを証明できる証拠集めしかされていません。

何が正しいかを追求するのが科学なんですけどね。

「低いほどいい」と信じている人たちをみると、まるで宗教だなって思います。