ある漢方医のつぶやき

いぬつかひさしの備忘録

自分を大切にする

あけましておめでとうございます。

「自分を大切にする」

今年の抱負です。

忘れないように、来年の自分のために書きます。

年末年始、いろんなことがあり心がすさんでおりました。

何もかも嫌になり、放り出したくなる自分がいました。

面倒なことはやめて適当に生きていこう。

誰の迷惑になるわけでもないし。

もう十分だ。

そう思うことがありました。

そうすると確かに気は楽になりましたが、ただ生きているだけというか、食べて寝てバイトして時間だけ過ぎていく。

こんな人生何か意味があるのか?

あ~生きるのさえ面倒くさい!

というネガティブスパイラルに陥り抜けられなくなりました。

若い頃は時々こんなこともありましたが、さすがにこの歳では情けないというか恥ずかしいというか。

でも、深い穴に落ちている時って自力では這い上がれないことがあるんですよね。

自分だけ?(^^;

そんな時、息子が通っている高校のお便りを読んでいると、茨木のり子さんという詩人の詩が紹介されているのが目にとまりました。

戦時中、自分の感性を押し込め苦しんだ経験と、それでもまっすぐ自分の心や世の中を見つめ紡ぎだす言葉に心をうたれました。

厳しい言葉は自分自身に向けられているのでしょうけれど、「目を覚ませ!」と喝を入れられた気がしました。

そして、雑に生きるのは自分を粗末にすることになる。

ちゃんと生きよう。

自分を大切にしようと思いました。

こんな詩です。

 

ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもがひよわな志しにすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ